「死すべきものの課題と潜在的偉大さは、彼らの諸物をつくる能力-仕事と行為と言葉-のうちにある。
それらの諸物は存在するに値するものであり、すくなくともある程度までは永続性のなかに安んじているものである。
それらを通して死すべきものは、彼ら自身を除けばすべてのものが不死である宇宙のなかに彼らの場所を見いだしうるのである。
不死の行為を行う彼らの能力によって、人間は個々の可死性にもかかわらず彼らの不死性を得て、「神的」性質をもつようになる。」
(「人間の条件」 ハンナ・アーレント 志水速雄訳 ちくま学芸文庫)