「人間が活動できるという事実は、人間に予期せぬものを期待できること、人間がほとんど不可能だと思われることを実現できることを意味している。しかし、これが可能なのは、ひとえに一人ひとりがユニークな存在であり、それゆえ、各人が生まれるたびにごとに何かユニークなものが世界に持ちこまれるからである。ユニークな存在という観点からいえば、一人ひとりの前には誰もいなかったというのは正しい」
(「人間の条件」 ハンナ・アーレント 志水速雄訳 ちくま学芸文庫)