「私はビンのことを考える。彼に危険が迫っているのを知りながら放っておいたことを。自分の結婚生活のことを考える。危険な兆候は見えていた、たしかに。でも、ただ放っておいたのだ。運命とは、期待と不注意が半分ずつ集まってかたち作られていることに気づく。でもどういうわけか、愛する何かを失うと、信仰が取って代わるのだ。失ったものを心に留めなければならない。期待を取り戻さなければならない。」
(「ジョイ・ラック・クラブ」 エィミ・タン 小沢瑞穂訳)