2007/02/14

アーレントとトクヴィル

アーレントの大衆社会、全体主義批判が、トクヴィルの、「個人主義」(individualism)、「画一性」
(conformity)、「暴政」(despotism)についての考察にその多くを負っていることは明らかである。
彼女の思想的系譜としては、アリストテレス、カント、ニーチェ、ハイデガーなどが挙げられるが、トクヴィルの影響も決して小さくはない。
アーレントとトクヴィルの共通点はまず差異性や多様性の肯定と、画一性や多数の専制への批判にある。また絶対的真理の否定と判断力
(カントの言う、具体的個別的条件のもとに、恣意とは異なる一般性を持つ決定を行う力)の重視においても両者は共通する。