2007/02/05

アーレントのルソー「一般意志」批判

「最も重要な点は慎重な選択や意見にたいする配慮に重点を置く「同意」(consent)
という言葉自体が意見交換のあらゆる過程と最終的な意見の一致を本質的に排除する「意志」(will)
という言葉に置き換えられるということである。意志は、もしそれが機能するとなれば、実際一つでなければならないし、
不可分でなければならない。・・・・さまざまな意見のあいだで可能であるような調整は、さまざまな意志のあいだでは不可能である。・・・・
 一般意志というこの人民の意志の顕著な特質はその完全一致にあった。ロベスピエールが絶えず「世論」について語ったとき、
その意味は一般意志のこの完全一致だったのである。」


(「革命について」 ハンナ・アーレント 志水速雄訳 ちくま学芸文庫)