2007/01/18

写真の企画のもっとも雄大な成果

「 この飽くことを知らない写真の眼が、洞窟としての私たちの世界における幽閉の境界を変えている。
写真は私たちに新しい視覚記号を教えることによって、なにを見たらよいのか、なにを目撃する権利があるのかについての観念を変えたり、
広げたりしている。

写真は一つの文法であり、さらに大事なことは、見ることの倫理であるということだ。そして最後に、写真の企画のもっとも雄大な成果は、
私たちが全世界を映像のアンソロジーとして頭の中に入れられるという感覚をもつようになったということである。」

(「写真論」 スーザン・ソンタグ 近藤耕人訳 晶文堂)