2007/04/11

しぼり出された像

ラテン語で言えば《写真》は《imago lucis opera expressa》、つまり、光の働きによって暴露され、《引き出され》、《組み立てられ》、(レモンの汁をしぼり出すように)《しぼり出された》像、ということになろう。そしてもし「写真」が、神話に対する感受性をまだいくらかは保っている世界にあったら、人々はそこに含まれている象徴の豊かさを見て小躍りせずにはいないであろう。

なにしろ、愛する人の肉体が、ある貴金属、つまり銀(記念するためのものであり豪奢なものでもある)を媒介として不滅のものとなるのである。しかもその金属は、「錬金術」が扱うあらゆる金属と同じように、生きている、という考えが、さらにそこにつけ加えられることであろう。


(「明るい部屋」 ロラン・バルト 花輪光訳 みすず書房)